RISE PERSONAL TRAINING GYM  藤沢店


店舗設計
施工:有限会社ロックプラント
規模:約60㎡


内装設計(インテリアデザイン)は何のためにやるのか。究極的には店舗型のビジネスであれば、スケルトンに近い箱に必要な什器を持ち込めば運営可能な状態になる。しかし一般的にお店作りとなると、そのインテリアがどうかという事が大きな関心事となる。多くの場合、店舗オーナーの趣味嗜好や流行りのスタイルを採り入れた内装となることが多いが、しかし、それは店舗づくりの本質ではないと考えている。もちろんそれを否定するわけではなく、予算に余裕があったり、それをすることに何か重大な意図があれば積極的にやればよいのだが、しかし、”それだけ”では中身がなく弱い空間になってしまう。何事においてもしっかりと中心を創ることが大事。趣味・流行りはその上に融合させれば良い。では店舗デザインの中心(本質)とは何か。それは、結局のところ事業の目的を顕在化し、その事業の目的達成に寄与する空間を生み出すことだと考えている。今回のパーソナルトレーニングジムであれば、そこで展開されるサービスが正しくお客様に伝わり受け取られる、ということである。正しくデザインされた空間は、サービスを提供する側とサービスを受ける側の双方に影響を与える。STUDIOFUUでは、店舗設計においては、その瞬間の集中度が増し、100%のものを100%で受け取れるような空間を理想とし、常にそのデザインの可能性を模索探求している。

一方で、どのくらいの予算を店舗内装に充てるかは、店舗型ビジネスでは常に慎重な判断が求められる。なるべく早期にイニシャルを回収するために、なるべく内装費を抑えたいところだが、当然のこととしてデザインの選択肢や施工品質は予算に比例する。今回のプロジェクトの主題はまさに、限られた予算を効率的に割り振って、いかにその中心を過不足なく創り出すかという事であった。

なるべく費用を抑えるために、照明は解体時に取り置きし再利用することにした。また、床材はクリーニングをかけるのみで、張替えなどは行わず、必要に応じてラグやマットで対応とした。ただし、身体に触れるところは慎重に素材を選定し、ストレッチエリアは肌触りのいい杉材を採用した。特筆すべきは、お世辞にも年季の入ったとは言い難いみすぼらしかった既存壁を、店舗スタッフ総出で左官により全面補修し、これにより最終的に店舗の雰囲気を決定づける極めて重要なデザイン要素が追加されたことである。

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