店舗デザインにおいて大切なのは、見た目を整えることだけではなく、事業の目的を空間として実現することだと考えている。
今回のパーソナルトレーニングジムでは、提供されるサービスがお客様に正しく伝わり、トレーニングに集中できる環境を目指した。オーナーのトレーニング哲学を踏まえ、身体感覚を大切にしながら、限られた予算のなかで空間の質を高めることが設計の主題となった。
照明は既存のものを再利用し、床材もクリーニングを施して継続利用することで、内装費を抑えた。一方、身体に直接触れる素材は慎重に選定し、ストレッチエリアには肌触りのよい杉材を採用している。
また、既存の壁は店舗スタッフとともに左官で全面補修した。新たな仕上げ材を加えるのではなく、壁そのものに手を加えることで、空間の印象を大きく変えている。
既存のものを活かしながら、必要なところに適切な手間と費用をかける。事業の目的を見定め、限られた予算を効果的に配分することで、空間の中心を過不足なくつくり出した。